配偶者の法定相続分引き上げへ ~相続法改正~

配偶者の法定相続分の引き上げが検討されています。

 

相続法改正で9月末までパブコメ

配偶者の法定相続分引き上げなどが柱

週刊 税のしるべ 平成28年7月4日 第3225号

 

法制審議会民法部会は、このほど相続法改正に向けた中間試案をとりまとめました。

 

その内容なんですが、

子及び配偶者が相続人であるときの、配偶者の相続分を現行の、1/2から、2/3へと引き上げるというものです。

 

妻、母は偉大でありますから、これはよくわかります。

 

次に、配偶者の居住権を保護するための方策では、遺産分割により建物の帰属が確定するまでの間、その建物を引き続き無償で使用できるものとすること(短期居住権)、終身または一定期間、配偶者にその建物の使用を認める法定の権利(長期居住権)を新設する・・・?。

 

母が、父の死亡後に、実家に住み続ける権利を、法律でわざわざ認める。そんなあたりまえのことを法律で保護する・・・

 

どんなに仲が悪い親子でも、母ちゃんに実家を出ていけなんてことは、あんまりにもあんまりです。

 

少し前に巷をさわがせた後妻業というのがありました。これなんですね。

 

実は、上記の法定相続分の引き上げも、婚姻期間が20年経過後という条件がついています。20年経過すると配偶者の相続分が上がるわけです。

 

一般的な家族モデルでは、母が実家に住む権利など、法律で保証なんてしなくてもいいんです。

 

母ちゃんが実家に住み続けるのは、当たり前のお話しですから。

 

ただ、離婚であれ、死別であれ、再婚後の母と、子の血がつながっていない場合には、この母を保護する必要はあるのでしょう。

 

実家が、相続財産の大半であれば、子に相続権を主張されると、実家を売却するなどしないと、遺産分割がむずかしいですから。

 

こうなると母は住む家を失ってしまいます。

 

すこし悲しいお話しですが、これはやはり法律の保護が必要な場合があるだろうと。

 

お国は、やはり世間をよく見ているのかなあと思います。

 

そういう観点からいくと、改正案には、上記の他、こういうのがあります、

 

被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をし、これにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者(相続人を除く)があるときは、その者は相続が開始した後、相続人に対し金銭の支払いを請求することができる。

 

いわゆる、「長男の嫁」の労に報いるというやつでしょう。

 

長男かどうかにかかわらず、被相続人の生前の介護は、子の奥さんがすることが多いかと思います。しかし、子の妻は、相続人ではありませんので、当然相続権はありません。

 

ずっとずっと、夫の親、義理の父母の日常のお世話、介護を続けてもです。

 

だから、法律でその労に報いようというわけです。

 

夫をはじめとする相続人に金銭の支払を請求してください。法律であなたの労に報います、ということです。これはもう大岡裁きです。

 

これらの案を平成29年に国会に提出する予定らしいです。

 

民法、まさに「たみ」のための法律ですから、やはり最近のライフスタイルの変化、家族関係の変化、高齢化社会に伴い、改良していくべきなのでしょう。よく考えられられた改正案だと思います。

 

 

実家の相続なら

生駒市の税理士 西川義弘税理士事務所

 

 

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